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星陵高校の「必笑」

 今年の全国高校野球石川県大会の決勝戦は、星陵高校と小松大谷高校が対決しました。この試合で、星稜高校が大逆転劇を演じたのです。0―8で迎えた9回裏、一挙9点を奪って小松大谷高校にサヨナラ勝ちしたのです。小松大谷高校は、5回まで12安打で8点を奪い、8対0でリードしていたのです。また、小松大谷高校の先発左腕の山下亜文投手は、8回まで被安打2と好投を見せていましたが、8点リードで迎えた最終回に、2点を返されて降板しました。2番手の木村幸四郎投手も、星陵の勢いを止めることができなかったのです。あと一歩のところで、29年ぶりの甲子園行きはかなわなかったのです。
 あまりに残酷な結末に小松大谷のエース・山下投手は立っていることができませんでした。「本当にゴメン…」「今までいっぱい頑張ってきましたが、まだ足りなかったんだと思います」と、涙が止まらなかったというのです。
 一方、星陵とすると、8回まで8対0で負けていたら、誰でももう駄目と思うでしょう。星陵は、2年連続17回目の夏の甲子園出場となりましたが、星陵のチームの合言葉「必笑(ひっしょう)」が生んだ反撃だったというのです。
 9回表、再登板したエース岩下大輝君が小松大谷高校の攻撃を三者三振に仕留め、笑顔でベンチに引き揚げてきたそうです。この岩下君を見て、星陵林和成監督は、「そうだ。笑おう」と思ったそうです。
 「笑えば前向きになれる」「自分たちの野球ができる」。昨年の冬、みんなで考えた合言葉が「必勝」をもじった「必笑」だったそうです。そして打者一巡の猛反撃をして、8点差を跳ね返したのです。

 このことを聞いて、なでしこジャパンがW杯で初優勝したときのことが思い出されます。
 対アメリカ戦で、澤のゴールで同点とし、PK戦に持ち込んだとき、監督も選手もニコニコと笑っていました。「負ける試合をPK戦まで持ち込んだ」「負けてもともと」という笑いが、選手たちをリラックスさせ、勝利を奪い取ったのでしょう。
「必笑」の結果が、優勝を呼び込んだのは、なでしこジャパンも星陵も同じだと思います。個人的には、小松大谷高校に29年ぶりの甲子園に行かせてあげたかったのですが……。
弁護士 田中 清
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天牛新一郎さん(94歳)の詩 その2

4 昔のことは みな忘れ
  自慢話は しなはんな
  わしらの時代は もうすぎた
  なんぼ頑張り 力んでも
  からだがいうこと ききまへん
  あんたはえらい わしゃ あかん
  そんな気持ちで おんなはれ

5 わが子に 孫に 世間さま
  どなたからにも 慕われる
  ええ年寄りに なりなはれ
  ボケたらあかん そのために
  頭の体操 生きがいに
  何か 1つの趣味持って
  せいぜい長生き しなはれや

5の2
 (そなこといったて それあかん
 年をとっても まだいける
 わしがやらねば だれがやる
 なんでも わしのいうとおり
 雀、百まで へいちゃらだ
 死んでも いのちのあるように)

天牛さんの元気な詩を読んで、30年ほど前、詩吟を習っていたころの、ある詩を思い出しました。
 50、60 はなたれ小僧
 70、80 花盛り
 90になって 迎えが来れば
 100まで待てと 追い返す

 何か元気が出てくるような詩ですね。
 もう1つ 102歳でお元気な日野原重明先生は、今も講演活動にお忙しい毎日ですが、あと3年先まで講演の予定が一杯詰まっているそうです。3年先というと、105歳、頭が下がります。
 弁護士 田中 清

前回番外編の真実(お金を持つことの重要性)

 A子さんは、70歳のとき夫B男に死に別れ、長男Y男M子夫妻に老後の面倒をみてもらうことにしました。そのことを条件に、B男の自宅や預金等の遺産を長男Y男に全部相続させ、A子さんと長女B子と次男Z男は、相続を放棄しました。長男Y男は子供のころから優しく、A子さんも心の底から信頼していたので、何の心配もしなかったのです。
 A子さんは、夫B男の死後間もなく長男Y男の勧めに従って、長男夫婦及び孫2人と同居しました。同居する日にA子さんは、長男夫妻にA子さん名義の預金通帳と印鑑を全部渡し、「これからお世話になるんだから、この預金はすべて使っていいわよ」と言ったのです。預金通帳には、A子さんの年金も入ってきます。その年金もすべて長男のお嫁さんM子さんが自由に使うことになったのです。
 それからのA子さんは、どうなったでしょうか。A子さんは、何もお金を持っていないため、出掛けたり買い物をするときも、すべてM子さんからお小遣いをもらわなければなりません。そのうち長男夫妻は次第に冷たくなり、孫までA子さんを馬鹿にするような態度をとるようになりました。A子さんは家族と食事を一緒に摂ることも許されなくなり、A子さんは、自室で与えられた食事を1人で寂しくいただくだけになりました。A子さんは、たまらず長女B子さんや次男Z男さんに同居を相談しましたが、同情はしてくれるものの、「だって、お兄ちゃんは、お母さんの面倒をみることを条件に全財産を相続したんだもの」と言うだけで、同居しようとは言ってくれません。
 私は、A子さんからの相談を受けて、「預金通帳をすべてM子さんに預けてしまったのは失敗でしたね。長男のY男さんと相談して、『今まで預けてあった私の預金通帳を返していただけないかしら』と頼んでみたらどうですか。それができない場合、次の手段を考えましょう」と答えました。
 1週間後、M子さんが事務所を来訪し、「話し合いの結果、年金口座の預金通帳だけは返してもらうことにしました。あとの預金通帳は、残額も大したことはないですし、これからもお世話になるのだから、諦めることで、話し合いが成立しました。これで、私も長男夫婦に気兼ねなく、買い物もできますし、孫たちにお小遣いも上げられます」と嬉しそうに話しました。私は、「本当に良かったですね」と、法律による解決でなく、話し合いによる解決ができたことを喜び合いました。
 このような話は、いくつも体験しています。本当に、年をとってからのお金は大事ですね。
 弁護士 田中 清

天牛新一郎さん(94歳)の詩 その1


1 歳をとったら でしゃばらず
  憎まれ口に 泣きごとに
  ひとの陰口 愚痴いわず
  他人のことを ほめなはれ
  聞かれりゃ 教えてあげてでも
  知ってることでも 知らんふり
  いつでもアホーで いるこっちゃ

2 勝ったらあかん 負けなはれ
  いずれお世話に なる身なら
  若いものには 花もたせ
  一歩下がって ゆずるのが
  円満にいく コツですわ
  いつでも感謝を 忘れずに
  どんなときにも オオキニ(ありがとう)と

3 お金の欲を 捨てなはれ
  なんぼ銭金(ぜにかね) 集めても
  死んだら もって行けまへん
  あの人 いい人やったぞと
  そない他人(ひと)から 言われよう
  生きてるうちに ばらまいて
  山ほど 徳を積みなはれ

3の2
 (これまで言ったは 表向き
 ほんまは銭金(ぜにかね) はなさずに
 死ぬまでしっかり 持ちなはれ
 ひとにケチやと 言われても
 金ありゃ ベンチャラ言てくれる
 地獄の沙汰も 金次第
 内緒やけれど ほんまどせ)

 天牛新一郎さん(94歳)は、大阪の古本屋のご主人だそうです。1、2、3番と読むうちに、さすがに94歳まで生きた人の名作と思いました。
 しかし、3番の番外編(3の2)を読んで、思わず笑ってしまいました。
 番外編は、1つの真実だからです。次回には、番外編が1つの真実であることを示すお話をすることにします。
 弁護士 田中 清

体力(病気や怪我をしない)の重要性

 サッカーワールドカップで、ブラジル代表の中心選手ネイマールが腰椎骨折で、準決勝戦には出ることができませんでした。そのためかどうか、ブラジルは、ドイツに大敗を喫してしまいます。また、3位決定戦でも、オランダに3対0で敗れてしまいました。
 時を同じくして、ヤンキースの田中将大投手が、右肘靭帯の部分断裂で全治6週間の怪我のため戦列を離れることが報道されました。
 この2つのスポーツ選手のニュースを見て、どんなに素晴らしい選手でも怪我には勝てないことを実感致します。2人には、治療に専念をして1日も早く戦列に復帰されることを願ってやみません。

 私が、大津地家裁彦根支部長判事をしていたのときです。
 後に最高裁判事となられた貞家克己さんが大阪高裁長官だったとき、彦根支部に視察にいらっしゃいました。
 夕食の席で、貞家長官はつくづくおっしゃいました。
 「裁判官で知力のあるヤツは、いくらでもいる。しかし、病気になって裁判官生活を全うできなくなったヤツも結構いる。また、行政能力のあるヤツも裁判官にはそれほど多くない。知力だけではだめなんだよ。どの世界でもそうだが、知力、体力、行政力が揃っているヤツがやはり必要だ」と、つくづくおっしゃったのです。
 私は、その時以降、病気や怪我をしないことの幸せをつくづく思って、毎日を生活しています。
 行政力は、経営力や営業力に置き換えることができます。どのような業種の世界でも、知力、体力、経営力、営業力がなければなかなか成功しないでしょう。そして、忘れてはならないのは、人格です。人格は、知力、体力、経営力、営業力を包括する一番大事な要素だと思っています。
 しかし、「健康な精神は、健康な身体に宿る」のです。体力の重要性と体力のあることの幸せを実感する毎日です。
 
 弁護士 田中 清

ガソリンと水

 ガソリンが1リットル170円くらいになりました。「ガソリンは高い」ですね。
 ガソリンの母、石油からは、いろいろな製品が作れます。プラスチック、化学繊維、洗剤など。燃料としてもガソリンのほかに、軽油、ディーゼルなどができます。1975年ころ、石油ショックがありました。石油は、有限です。誰もが、20年後の1995年、遅くとも30年後の2005年には、石油は枯渇すると思っていました。しかし、いまだに石油は産出されています。中東のサウジアラビアでは、今でも1日当たり1153万バレルも産出しているのです。1バレルは約160リットルです。よくこれだけ汲み出して、石油は枯渇しないものですね。そして、なぜ、中東・すなわち、サウジアラビア、イラン、イラク、クェート、アラブ首長国連邦などにばかり石油資源が集まっているのでしょうね。実に不思議です。

 さて、冒頭の「ガソリンは、高い」について、考えてみましょう。よく考えてみると、水も1リットル170円くらいするのです。水は、人間にとって必要不可欠のものですが、山に行けば、タダでいくらでも飲めます。山に行かなくとも、水道からはほぼタダで、いくらでも飲めます。そして、東京の水道水はうまいです。
 ガソリンが1リットル170円、水も1リットル170円。ガソリンは車を走らせることができますが、水は車を走らせることはできません。ガソリンの母、石油からは、プラスチック、化学繊維、洗剤などが作れますが、水からは作れません。
 しかも、水は、ほぼタダで手に入ります。こう考えてみると、不思議なことだとは思いませんか。
  弁護士 田中 清
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