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人を責めるか、己を責めるか

 最近、知合いの真照寺住職とお会いする機会があり、住職から次のような言葉をいただきました。

   君子は己を責め
   小人は人を責める

    弘法大師

 なるほど、身の回りに起こる様々な問題の原因は、外にあるのではなく、自分の中にあるのです。
 口では「反省しています」と言うけれど、心の奥底では、本人も気が付かないほど「自分が正しく、かわいい」と思っているのです。
 やはり、今一度、自分自身を見つめ直すことが大事なようです。

 私は、職業上、ある人の代理人となって人を責める仕事をしているのですが、そういう嫌な仕事を引き受けているのですから、依頼者の方には、人を責めるのは弁護士に任せて、このような紛争の原因を作った己を責めていただきたいと思います。
 そして、私自身も、仕事を離れた日常生活の場では、常に己を責める毎日にしたいと思います。

 弁護士 田中 清
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懺悔偈(ざんげげ)の話

 今日は、お彼岸なので、「懺悔偈」(ざんげげ)の話をしましょう。
 仏様へのお経の中で、最初に唱えるお経です。
 この中で、一番教えられるのは、「貪瞋癡」すなわち三毒の話です。
 三毒とは、「貪り(むさぼり)の心」「怒りの心」「愚痴の心」ですが、これを取り去れば、心は無欲の状態、すなわち、「空」(くう)の状態になります。
 それでは、懺悔偈をご紹介しましょう。

(元のお経)
我昔所造諸悪業(がしゃくしょぞうしょあくごう)
皆由無始貪瞋癡(かいゆうむしとんじんち)
従身語意之所生(じゅうしんごいししょしょう)
一切我今皆懺悔(いっさいがこんかいさんげ)

(読下し文)
我れ昔(むかし)より造る所のもろもろの悪業(あくごう)は
皆無始(むし)の貪瞋癡(とんじんち)に由(よ)る、
身語意(しんごい)より生ずる所なり、
一切我今(いっさいわれいま)、みな懺悔(さんげ)したてまつる

(現代語訳)
私が昔から作ってきた色々な悪い業は、
遠い過去から積み上げてきた、「貪瞋癡」すなわち三毒によるものです。
それは、三毒を、「体で行った・話した・思った(身語意)」という三業から生まれたのです。
私は今、それら全てを懺悔します。

 人間には、108つの煩悩があるといわれています。
 除夜の鐘は、この108つの煩悩を取り去るために、108回鐘を撞きます。
 数ある煩悩の中で「貪りの心」「怒りの心」「愚痴の心」の三つを、人間を一番苦しめる毒薬という意味で三毒と呼んでいます。これが「貪・瞋・癡」(とんじんち)です。

 これからお墓参りに行き、懺悔偈を唱え、そして、数々のお経を唱えます。
 次回には、三毒の意味を掘り深める予定です。

 弁護士 田中 清

iphone6発売と行列

 iphone6とiphone6プラスが9月19日午前8時に発売になりました。銀座中央通りの銀座3丁目には「アップル」の直営店がありますので、同店前には数日前から長い行列が京橋方面に延びていました。報道によると、行列をしていた人は、1000人を超えるそうです。
 当然、銀座1丁目の私の事務所前にもその行列が延びていました。
 この行列を見ながら、iphone6とiphone6プラスがそんなにも魅力がある商品なのかと思いましたが、私にはその価値は分かりません。
 仮に、魅力がある商品だとしても、徹夜してまで並んで買うべき商品なのかという思いが致します(長い人は4日徹夜)。

 私が、喉から手が出るほどほしい商品であるとしても、1か月待てば手に入るのなら、絶対に、徹夜して行列するよりも、1か月先にゆっくり買う方法を選びます。
 本当に買いたい人が並んでいるのがほとんどでしょうが、中国では発売されないため、中国人の人は、高く転売するのが目的並んでいますし、1時間1000円のアルバイトで並んでいる人もいるそうです。
 今回は、中国人の割り込み騒ぎもありましたが、無事に行列していた人が買えたようで、良かったと思いました。
また、ここ数日、天気が良く、比較的暖かだったので、風邪を引かなくてよかったと思います。

 弁護士 田中 清

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全盲女子高生に対する暴行事件

 先日、盲導犬オスカーに対して傷つけた事件のことを、9月7日に、当ブログで書きましたが、その次の日の9月8日、同じ埼玉県のJR川越駅で、埼玉県立特別支援学校に通う全盲の女子高生が、足で蹴られて負傷する傷害事件が起きました。
 女子高生がバスに乗り換えるため川越駅の改札を出て点字ブロックの上を歩いていたところ、正面から来た加害者が白杖に接触したということです。女子高生によると、加害者は、正面から来て、白杖に接触して躓いて転倒したような気配がしたとのことです。しかし転倒した人が立ち上がった気配がしたため、女子高生が再び歩き出したところ、背後から右膝の裏を強く蹴られ、全治3週間の傷害を受けたということです。
 女子高生は、強いショックを受け、「1人で外を歩くのが怖くなった」と言っているそうです。
 先日の盲導犬オスカーを傷つけた事件に次いで、非常に悲しい事件で、許せない思いでした。
 被害者の方には、「こんな人は、全く例外的な人だ」と思っていただき、1日も早く立ち直っていただきたいと思います。

 東日本大震災のときは、略奪もなく、秩序正しく助け合う人々の姿が、世界中に感動を与えました。また、ブラジルで行われたサッカー・ワールドカップでは、青いポリ袋で応援していた日本のサポーターが、試合終了後一斉にゴミを拾っている姿が世界中に報道されました。本当に、同じ日本人として、誇らしい気持ちになりました。

 それに比べて、この2つの事件(盲導犬傷害、女子高生傷害)は、何と悲しい事件でしょう。
 目の不自由な人たちには、もっと温かい手を差し伸べていただきたいと思います。それが私たちが誇るべき日本人だったはずではありませんか。

 弁護士 田中 清

日韓関係の底冷え

 日本と朝鮮との関係は、古代まで遡ると思います。
 原日本人は、アイヌ系、マレー・ポリネシア系、ウラル・アルタイ系の混血というのが通説です。
 マレー・ポリネシア系は、黒潮に乗って南方から来たのでしょう。台湾の原住民である高砂族は、マレー・ポリネシア系ですし、ハワイ原住民も、アフリカのマダガスカル島原住民もマレー・ポリネシア系です。こうしてみると、マレー・ポリネシア系は、筏に乗って太平洋やインド洋を自在に航海していたことが分かります。台湾の高砂族がマレー・ポリネシア系である以上、原日本人にマレー・ポリネシア系の血が入っていることは明らかでしょう。そして、主語述語の順序などの言語学的にいって、朝鮮族、満州族、モンゴル族、トルコ族等のもう一つのウラル・アルタイ系が入っていることは、明らかです。
 次に、7世紀以前は、朝鮮と日本は相当密接な関係にあったことは、日本史からも窺えます。
 すなわち、倭が400年前後ろ、高句麗の好太王と幾度か戦闘を交えたこと、その後の百済との親交や、新羅との戦闘、任那の日本府が滅びたのが562年であったことを習いました。さらに、663年、唐・新羅の連合軍と倭と百済の連合軍が戦った結果、倭と百済の連合軍が白村江の戦いで敗れ、多くの百済難民が日本に逃げ延びたことなどが記載されています。法隆寺の百済観音像をみても、高松塚古墳を見ても、我が国と朝鮮との繋がりは相当に大きかったことが窺えます。 桓武天皇のお母さまが朝鮮の人であったとも言われています。
 飛鳥・白鳳時代は、日本人も朝鮮語を話し、理解していたのではないかと、想像を膨らませます。

 つい数年前まで、韓流という言葉が氾濫し、韓流ドラマ「冬のソナタ」は、非常に視聴率が高いものでした。「冬のソナタ」の撮影現場を見る旅行など韓国旅行ブームがあり、東方神起、カラ、少女時代などの韓流歌手が、何度も来日していました。一時、紅白歌合戦で韓国の歌手が確か3~4組出て、余りにも出しすぎではないかと思ったことを覚えています。
 しかし、2012年8月に、李明博大統領が竹島に上陸し、韓国領であると発言したことから一気に日韓関係は冷え込んだと記憶しています。さらに、追い打ちをかけるように、李大統領は、自ら天皇陛下を韓国に招聘しておきながら、「天皇陛下が、『痛惜の念』などという良く分からない単語を持ってくるだけなら、韓国に来る必要はない。韓国に来たいのであれば、独立運動家を回って跪いて(ひざまづいて)謝るべきだ」と謝罪を要求する発言を行ったのです。
 李大統領に続く朴槿恵大統領も嫌日政策は一層ひどくなっています。
 そして、今年の5月、 韓流ブームの象徴で、あれほど繁盛していた新大久保の「韓流百貨店」が倒産したというニュースが流れました。
 政治の流れに翻弄された、韓流スターや韓流店舗が可哀想に思います。
 本当に隣国同士、仲よくできないものでしょうか。
 弁護士 田中 清

盲導犬体験の話

 盲導犬オスカーの傷害事件につきましては、公式ブログに書きましたが、今も卑劣な犯行に怒りが収まりません。
 私は、東京虎ノ門ライオンズクラブのメンバーとして、昨年の5月に旅行に行く途中、神奈川の盲導犬訓練センターに見学に行きました。

 そこで、まず目隠しをして、白杖だけを持って、障害物が一杯置かれた道をドアのところまで歩くという訓練をしました。このときは、盲導犬は横にいません。
 わずか20メートルの道ですが、何度も障害物にぶつかりながら、やっとの思いで、ドアまで到着することができました。  私の知り合いで、30歳くらいのときに、緑内障を患って、何度か手術をして失明をしてしまったA子さん(故人)がいます。
 A子さんは、盲人となってから結婚し、子供を2人産み育てましたが、どんなに大変だったことでしょう。
 この小さな20メートルの道の体験で、A子さんのことを思い出しました。

 次に、目隠しをし、盲導犬を伴ってもっと難しい階段などの障害物がある50メートルくらいの道を歩きました。盲導犬は階段の手前で階段があることを教え、降りるときにも「これから階段を降りる」ことを教えます。何も怖いことがない非常にスムースな50メートルでした。
 私は、盲導犬が厳しい訓練を経て、人間のために生きている姿に感動しました。
 盲導犬の訓練は、叱らないそうです。「良くできたら『グード』と言って褒め、できなかったときは褒めないけれども叱らない」ということだそうです。
 最後に、「町で盲導犬を見かけたら仕事中は原則として声を掛けないでください。しかし、信号のある交差点の前では、『信号が変わりましたよ』と声を掛けてください。犬は色盲なので、信号が分からないのです。よろしくお願い申し上げます。」とのことでしたので、この場を借りてお伝えします。
 弁護士 田中 清

百日紅(さるすべり)

 自宅の隣の家の庭先に百日紅(さるすべり)の比較的大きな木があり、毎年赤いの花を咲かせます。その花の命の長いこと、7月から9月ころまで、花見を楽しめます。この長い花の命で、百日紅という名前が付けられたのでしょう。中国南部地方原産だそうですが、花が美しく、長持ちすること、余り大きくならないことなどから、日本でも非常に多くみられます。
 百日紅は、「さるすべり」と読むように、幹はつるつるしていて、猿も滑るほど滑らかだというのが語源だと思います。しかし、実際は、猿は楽々と登ってしまうそうです。
 百日紅を詠んだ俳句は、たくさんあります。

   百日紅 燃え白雲は 峰をなす     林 翔

   お別れに みつめてをりし 百日紅   市川伊團

   廃屋は 庄屋跡なり 百日紅      西岡美代子

 また、私の通勤路の梅園にもひときわ高い百日紅の木があり、青空に花を突き刺しているように見えるときは、本当に美しく、しばらく見とれてしまいそうです。
 ついでに、私も、1句紹介します。

  青空を 突き刺すごとき 百日紅    清

  弁護士 田中 清

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