コーヒーと納豆と生姜その2 納豆その1
私の出身地である大阪では、地元の人は、納豆を食べません。大きくなるまでは、その存在すら知りません。
大阪で「納豆」というと甘納豆のことですので、小学校のとき、漫画を読んでいて、納豆売りが納豆を売りに来て、子供が蒲団の中で納豆を食べていて、糸でぐるぐる巻きになった絵が出ていました。なぜ納豆売りが来るのか、(甘)納豆がなぜ糸を引くのか、なぜ糸でぐるぐる巻きになるのか、すべてが分かりませんでした。
大学2年生のとき、クラス友達6人くらいで、信州にスキー旅行をしたとき、朝食に納豆が付きました。私も食べることに挑戦しましたが、あの匂いと味と糸を引く形にびっくりしてしまい、全く食べられませんでした。級友の曽我部が、「えっ、こんなうまいもの何で食べへんのんや」と言いながら、私の分まで食べたことが思い起こされます。
豆は、縄文時代から弥生時代に掛けて、稲作と一緒に我が国に到来したそうです。
そして、稲わらに付着している納豆菌が、良く煮た豆を発酵させてできるそうです。
竪穴式住居では、囲炉裏の傍に、稲わらを敷いて食事をしたり、就寝したりします。あるとき、煮た豆を食べながら酒を飲んでいたお父さんが、酔っ払って豆を敷きわらの上にこぼしたまま、寝てしまいました。次の日、起きて豆をこぼしたことに気付き、「もったいない。もったいない」と言いながら食べたのですが、全部を拾って食べることはできなかったのでしょう。3日くらい経って、わらの間に挟まっていた豆が発酵し、糸を引いているのに気付きました。
現代なら、糸を引いた豆なんて、そして独特の腐敗臭がある豆なんて、腐っているに違いないと思って食べません。しかし、いつも飢餓状態にある縄文人のことです。「腐っているから捨てるなんて、もったいない」ことです。縄文人は、この糸を引いた豆を食べたところ、普通の煮豆より随分おいしいのです。少し匂いは強いですが、それさえ我慢すればおいしいのです。
以上は、NHKの番組でやっていた「納豆誕生の物語」です。
こうして、納豆は発明され、普及し、やがて国民食になりました。江戸では、納豆売りが、納豆を売り歩くことになるのです。
マッカーサーが日本を占領したとき、朝の食事におかずとして、納豆とメザシを出したそうです。マッカーサーは怒って、「腐った豆と、魚のミイラを食べさせようとした」という(笑い)話があります。
納豆を見たことがなかった大阪出身の私に、納豆を出したとしたら、私も「こんな腐った豆は食べられない」と思うことでしょう。
弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)
大阪で「納豆」というと甘納豆のことですので、小学校のとき、漫画を読んでいて、納豆売りが納豆を売りに来て、子供が蒲団の中で納豆を食べていて、糸でぐるぐる巻きになった絵が出ていました。なぜ納豆売りが来るのか、(甘)納豆がなぜ糸を引くのか、なぜ糸でぐるぐる巻きになるのか、すべてが分かりませんでした。
大学2年生のとき、クラス友達6人くらいで、信州にスキー旅行をしたとき、朝食に納豆が付きました。私も食べることに挑戦しましたが、あの匂いと味と糸を引く形にびっくりしてしまい、全く食べられませんでした。級友の曽我部が、「えっ、こんなうまいもの何で食べへんのんや」と言いながら、私の分まで食べたことが思い起こされます。
豆は、縄文時代から弥生時代に掛けて、稲作と一緒に我が国に到来したそうです。
そして、稲わらに付着している納豆菌が、良く煮た豆を発酵させてできるそうです。
竪穴式住居では、囲炉裏の傍に、稲わらを敷いて食事をしたり、就寝したりします。あるとき、煮た豆を食べながら酒を飲んでいたお父さんが、酔っ払って豆を敷きわらの上にこぼしたまま、寝てしまいました。次の日、起きて豆をこぼしたことに気付き、「もったいない。もったいない」と言いながら食べたのですが、全部を拾って食べることはできなかったのでしょう。3日くらい経って、わらの間に挟まっていた豆が発酵し、糸を引いているのに気付きました。
現代なら、糸を引いた豆なんて、そして独特の腐敗臭がある豆なんて、腐っているに違いないと思って食べません。しかし、いつも飢餓状態にある縄文人のことです。「腐っているから捨てるなんて、もったいない」ことです。縄文人は、この糸を引いた豆を食べたところ、普通の煮豆より随分おいしいのです。少し匂いは強いですが、それさえ我慢すればおいしいのです。
以上は、NHKの番組でやっていた「納豆誕生の物語」です。
こうして、納豆は発明され、普及し、やがて国民食になりました。江戸では、納豆売りが、納豆を売り歩くことになるのです。
マッカーサーが日本を占領したとき、朝の食事におかずとして、納豆とメザシを出したそうです。マッカーサーは怒って、「腐った豆と、魚のミイラを食べさせようとした」という(笑い)話があります。
納豆を見たことがなかった大阪出身の私に、納豆を出したとしたら、私も「こんな腐った豆は食べられない」と思うことでしょう。
弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)
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