fc2ブログ

映画「僕等がいた」と歌「木綿のハンカチーフ」について その2

 「木綿のハンカチーフ」は、今から40年前に流行った歌です。可憐な姿で歌う当時20歳だった太田裕美さんに惹き込まれました。そのころは、歌詞の内容まで深く考えず、ただ、「太田裕美ってかわいいなあ」と思って見ているだけでした。そして、最近その歌詞をじっくりと読むと青春時代の「恋」と「別れ」を実に短い詩の中に閉じ込めた素晴らしい作品でした。
映画「僕等がいた」と違って、ハッピーエンドではありません。
松本隆作詞 筒美京平作曲です。

恋人よ ぼくは旅立つ
東へと向かう列車で
 華やいだ街で 君への贈り物
探す 探すつもりだ

いいえ あなた 私は
欲しいものはないのよ
ただ都会の絵の具に
染まらないで帰って
染まらないで帰って

 1番の歌詞は、男性は東京に旅立つのでしょう。大学でしょうか。就職でしょうか。2番で「指輪」を贈ると言っていますので、就職の可能性が高いと思います。
 そして、2人の故郷は、青森を想像してしまいます。しかし、青森から東京へということになると、「南へと向かう列車で」になるのですが、「南」というと南国を想像するので、あえて「東京」を連想させる「東」としたのでしょう。また、故郷は、岐阜県や山梨県かもしれませんし、そうすると、正に「東へと向かう列車で」でいいのです。
 そして、主人公の男性(健太)は、主人公の女性(裕美)に対し、「贈り物を探す」と言っています。健太も裕美のことを本当に好きだったのでしょう。しかし、裕美は、「贈り物なんていいのよ。ただ都会の絵の具に染まらないで帰って」と訴えます。物欲のかけらもない、実に純粋な女性だと思います。
 1番の歌詞では、純粋な相思相愛の男女しか、思い浮かびません。

恋人よ 半年が過ぎ
逢えないが 泣かないでくれ
都会で流行りの 指輪を送るよ
君に 君に似合うはずさ

いいえ 星のダイヤも
海に眠る真珠も
きっとあなたのキスほど
きらめくはずないもの
きらめくはずないもの

 2番の歌詞では、健太は、裕美に対し、給料をはたいて、指輪を贈ります。きっと、すごく喜んでくれると思ったに違いありません。この指輪こそ、健太の裕美に対する最大の愛情表現だったのです。
 しかし、裕美は、「指輪よりも、キスの方がいい」と手紙を返します。健太は、「俺があんなに探し回り、お金を掛けた指輪を贈ったのに。何故、喜んでくれないのだ」と思ったことでしょう。ここに、2人の間に心のズレが生じているのでしょう。
 こんなとき、裕美は「素晴らしい指輪だったわ。本当に嬉しいわ。毎日付けています。今度の土曜日に東京に行きます。あなたに会えるのが楽しみです」のような手紙を出せば良かったでしょう。そして、精一杯のおしゃれをして東京に行き、彼の気持ちを繋ぎ止める努力をすべきだったでしょう。

  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)
スポンサーサイト



映画「僕等がいた」と歌「木綿のハンカチーフ」について その1

 映画「僕等がいた」は、2012年に公開された映画ですが、3年前、ロシア旅行に行く飛行機の中で前編・後編を見ました。
 「僕等がいた」は、ヒロイン高橋七美(吉高由里子)と人気男子矢野元晴(生田斗真)との恋愛映画です。
 高校生である七美と元晴は、相思相愛関係になりましたが、元晴は1年後東京に転校してしまいます。その後、七美は、再会の約束を信じて東京の大学に進学しますが、元晴は行方不明になります。
 その後、七美は就職し、紆余曲折を経て元晴と再会しますが、元晴は、別人のようになって、他の女性と同居していました。
七美は、高校時代から良く知る竹内と交際し、竹内からプロポーズされますが、七美は、元晴のことが忘れられず、竹内のプロポーズを断ってしまいます。
 その後も紆余曲折がありますが、最終的に北海道に居た元晴と再会し、結婚を約束するのです。以上のようなあらすじだったと思います。

 竹内は、とても人柄のよい好青年ですし、元晴は、他の女性と同居している訳で、現実の世界では、七美が竹内のプロポーズを断ることは考えられないことだと思います。
 しかし、七美の一途な気持ちで、最後に元晴と結ばれるというハッピーエンドで、「七美の一途な気持ちが叶えられてよかった。でもこれが映画(原作はアニメ)の世界だなあ。現実には、難しいだろうなあ」と思いながらタラップを降りたのでした。

 これと対称的なのが、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」の歌です。
 次回は、「木綿のハンカチーフ」について、考えてみましょう。

 弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)

7月の俳句

前回の続きです。

   中元に  朝顔鉢を もらひけり

 関西人の私にとって、朝顔の鉢はとても新鮮で、初めて見るものでした。入谷の朝顔市で買って贈っていただいたのでしょうか。涼しげな花を毎日眺めています。

   梅雨明けの  ランチに向かふ 道眩し

 梅雨明けの日、いつものように同僚とランチに向かいますが、道が眩しくて、眼を開けていられないほどでした。

   紫陽花も  水欲しげなり 続く晴れ

 この紫陽花も、前回の「紫陽花の 見送り受けて 旅に出る」の紫陽花と同じ花です。

   炎天下 路傍の花も しほれをり

 今年の夏は、本当に暑いですね。道端の花もしおれています。

   蝉聴きに 遠回りして 堤行く

 友人から、蝉しぐれの便りを聞きました。しかし、私の家の近所では蝉の声は聞こえません。故郷の蝉時雨が懐かしくなって、蝉の声を聴きに、通勤路を変えて、蝉時雨を聴きに、玉川上水の堤に行きました。堤では、ミンミン蝉の合唱でした。

  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)

6月の俳句


 しばらく、俳句を掲載しませんでした。申し訳ございません。今から2回続けて、俳句をお届け致します。

   クレマチス 白壁の家  登りけり

 近所に、白壁の洋館があります。そこの玄関の白い柱から白壁を這ってクレマチスの紫の花が登っておりました。

   梅雨の入り 幼馴染の なみだ通夜

 丁度、梅雨入りの日が、妻の幼馴染の通夜でした。

   大傘を  持ちて出掛ける 梅雨の入り

 いつもは、折りたたみ傘ですが、梅雨入りの激しい雨に思わず大傘を持って出かけました。

   夏至晴れて  洗濯物を 皆干せり

 夏至の日は五月晴れでした。家々に洗濯物が干されているのが新鮮な風景でした。

   紫陽花の  見送り受けて 旅に出る

 近所に、一塊の紫陽花があります。その花の見送りを受けて大阪に旅立ちました。

  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)
プロフィール

弁護士田中清

Author:弁護士田中清
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR