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「うかうかしていると……」

 私の大学時代の友人A君の話です。A君は、私と同じ68歳か、69歳でしょう。
 A君の岳父が100歳で亡くなられたそうです。
私 「それは、大往生だったねぇ」
A君「そうなんだよ。入院してから4日で亡くなったんだよ。あれよあれよと いう間だった」
私 「90歳まで元気で、90歳を超えると、周りに余り迷惑を掛けないで死ぬようだね」
A君「へえ。そうなのか」
私 「 少なくとも、私が聞いた何人かの人はそうだったよ」
A君「そうか。それならいいよな」

これに続けて、A君が言うのです。
A君「おい。うかうかしていると、俺たちも100歳まで生きちゃうよ」
私 「そんな話は初めて聞くなあ」
A君「いや、本当にそうなんだよ。うかうかしていると、俺たちも100歳まで生きちゃうんだよ。酒、タバコを飲んで、暴飲暴食をして、運動しなくてメタボになっていれば別だよ。しかし、そうではない普通の生活をして、うかうかしていると、100まで生きちゃうんだよ」

なるほど、妙に説得力がありました。
昔と違って、医療が発達しております。住居も実に快適にできています。食事も栄養があっておいしいものがあって、しかもサプリメントも充実しています。
私 「そうか。うかうかしているとなあ」

  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)


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ある居酒屋での話

 私の帰り道の行きつけの居酒屋の話です。
 ご主人と奥様には子供がないそうで、ご主人を含む3人が料理人、そして、奥様と20歳くらいの女性A子さんが客席当番です。
とても温かい雰囲気の店で、毎週1回は通っておりました。「おりました」と過去形ですが、最近はご夫婦が2つほど先の駅から徒歩約10分のところに店を移転されたため、最近はほとんど伺っておりません。

 4年ほど前のことです。私たち夫婦で食事をしていたところ、突然「ガシャーン」と音がしました。食器を落としたような音でした。
 次の瞬間です。「A子ちゃん。大丈夫!!怪我はなかった?」という奥様の声が聞こえました。そのすぐ後に、A子さんの「すみませーん」という、奥様に謝る声が聞こえました。
 私は、何かホッとするような温かい空気を感じました。
 食器を落とした瞬間に、しかもA子さんが謝る前に、奥様が「A子ちゃん。大丈夫!!怪我はなかった?」と叫ばれたことに、奥様の温かい人柄を感じたのです。
 そんなとき、「何をやってるの!もっと気をつけなさい!」と叱りつける雇い主も多いことでしょう。むしろ、それが通常かもしれませんが、客席にも気まずい空気が流れたことでしょう。
 しかし、食器を壊されたことよりも、従業員の怪我を心配する、このことに私は感動を覚え、爽やかな気持ちで店を後にすることができたのです。

  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)

平松愛理さんの「部屋とワイシャツと私」その3

 「もし私が先立てば オレも死ぬと云ってね」という詩についても、私は受け入れることはできません。「あなたが死んだら私も死ぬわ」だったら、可愛い女かもしれませんが、本当に愛しているなら、「私が死んだらあなたも死んでね」とは言わないでしょう。
私だったら、自分が死ぬことが分かっている場合には、「俺はもう死ぬけど、俺の分まで長生きしてくれ。」というでしょう。相手方を愛しているならば「もし私が先立てば オレも死ぬと云ってね」とは、決して言わないでしょう。また、子供がいる場合にはどうするのですか。両親に先立たれた子供は、本当にこのように言った親、そしてそれに従ったもう一人の親を恨むでしょう。

 その他の詩は、そのとおり、微笑ましいです。特に、「大地をはうような あなたのいびきも歯ぎしりも、もう暗闇に独りじゃないと 安心できて好き」とは、なかなか言えるものではありません。
 「だけど もし寝言で 他の娘の名を呼ばぬように、気に入った女の子は 私と同じ名前で呼んで」というのは、「浮気は絶対にしないでね」というのと同義でしょう。

 全体を通じて、「トリセツ」の女の人は二重丸、本当に可愛い女の人です。すぐにでも結婚したくなるような人です。しかし、「部屋とワイシャツと私」のような女性は、結婚したくない女性です。
 「トリセツ」と「部屋とワイシャツと私」は、似ているという人はいますが、私は、根本的な部分で違うと思うのです。
 しかし、専業主婦も少なくなった今、「部屋をきれいにして、ワイシャツにアイロンをかけ、私も磨いている」奥さんはすてきですね。

  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)

平松愛理さんの「部屋とワイシャツと私」その2

 「お願いがあるのよ あなたの苗字になる私」というフレーズが、結婚をする女性の覚悟を示していると知り、結婚する人は、女性の気持ちになって覚悟を決めるべきだと、改めて思います。

 平松愛理さんの「部屋とワイシャツと私」と西野カナさんの「トリセツ」の根本的な違いは、「部屋とワイシャツと私」の方は、命を簡単に捨てるということです。「好きな人のためなら死んでもいい」とはいいますし、非常にカッコいいと思いますが、実は、そんなに簡単なものではありません。
 あなたの命は、あなたを生み、育み育ててくださった両親、あなたを大事に思う兄弟や親族、友人、先輩、後輩のものでもあります。

 「あなた浮気したら うちでの食事に気をつけて、私は知恵をしぼって 毒入りスープで一緒にいこう」といいます。しかし、これは、完全に殺人罪です。「私」が無事に死んだら、罪に問うことはできませんが、「私」が生き残ったら、殺人罪で裁判にかけられるでしょう。「無理心中の生き残り」になるのです。
 平松さんは、解説で、「これほどの愛はあるでしょうか。『一緒にいこう』と言っているのですよ。私は、これほどの愛はないと思います」と言っています。
 浮気は、絶対にいけないことです。しかし、浮気は死罪に値するのでしょうか。
浮気をすれば、民法770条1項1号の不貞行為になり、離婚理由になります。また、不貞は、民法709条の不法行為になり、損害賠償を求めることもできます。
 しかし、それには証拠も必要です。「いつわらないでいて、女の勘は鋭いもの、あなたは嘘つくとき、右の眉が上がる」程度のことでは、到底証拠にもなりません。
 浮気という確信が、もし間違っていれば、死んでしまった旦那さんは、死んでも死にきれません。

   弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)

西野カナさんの「トリセツ」その2

  西野カナさんの「トリセツ」の歌を、ワガママだという評価する人は、「急に不機嫌になる事があります」「理由を聞いても答えないくせに、ほっとくと怒ります」というところでしょうが、女性を知らない人です。多くの女性は、こんなところを持っていると思います。だから、「取扱説明書」に、「懲りずにとことん付き合ってあげましょう」と書いてあるのです。
 私に言わせれば、非常に分かりやすい女性であり、こんなことを女性の立場から言ってくれる人は少ないと言っていいでしょう。

 この女性は、彼のことを随分愛していると思います。
 まず、「この度はこんな私を選んでくれてどうもありがとう」と書いてあります。つまり、自分のことを謙遜して、「こんな私」と言い、「選んでくれてどうもありがとう」とお礼を言っています。
 次に、「一点物につき返品交換は受け付けません」と言っています。また、最後に「永久保証の私だから」とも言っています。すなわち、「永久に(死ぬまで)可愛がってね」「離婚(返品交換)なんか言わないでね」と言っています。裏返すと、「私は、一生貴方と添い遂げます」と言っているのです。
 これは、「これからもどうぞよろしくね。」「こんな私だけど笑って許してね。」「ずっと大切にしてね。」という言葉にも表れています。

 「取扱説明書」には、また、「小さな変化にも気づいてね」「太ったとか余計なことは気付かなくていいからね」「少し古くなってきて目移りする時はふたりが初めて出逢ったあの日を思い出してね」と書いています。
これは、まさに、女性に接するアドバイスを書いているのです。

 こうしてみると、この歌詞には、無駄なフレーズが全くありません。全体が愛に包まれていて、少しだけ「私の取り扱い説明」が書かれているのです。本当によくできている歌詞だと思います。
 また、西野カナさんが可愛い歌手だから歌詞が生きていますね。
 最後の「永久保証の私だから」という歌詞は、「1年間保証」だとか「3年間保証」ではなく、文字通り「永久保証」だというのです。

 最後に、昔流行った、平松愛理さんの「部屋とワイシャツと私」の冒頭部分に、「お願いがあるのよ あなたの苗字になる私」というフレーズがあります。私を含め、男性には分からないかもしれませんが、女性は「結婚」と同時に苗字も変える場合が多いのです。だから、相当の覚悟をもって結婚すると思うのです。返品交換を受け付けないのは当たり前ですし、「永久保証」なのも当たり前です。「あなたの苗字になる私」なのですから。

   弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)

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