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橋本多佳子の句集から その2

 前回に引き続いて。橋本多佳子の句集から、私が良い句と思った句をご紹介しましょう。
 今回は、あえてコメントを入れずに書き下しました。

◎夕焼けて牧師の耳朶(じだ)の女めく

◎火噴くとき夏日を天に失へり

◎凍蝶に指ふるゝまでちかづきぬ

◎白桃に入れし刃先の種を割る

◎乳母車夏の怒濤によこむきに

◎青蘆原をんなの一生(ひとよ)透きとほる

◎籾殻(もみがら)の深きところでりんご触れ

◎蜥蝪(とかげ)食ひ猫ねんごろに身を舐める

 女性らしい、そして何気ない日常の場面の鋭い感性に感心します。

弁護士法人銀座ファースト法律事務所 弁護士  田中 清

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橋本多佳子の句集から その1

 このブログの7月19日、20日の2回にわたって、「橋本多佳子と高浜虚子との出会い」について書いてみました。彼女は、筝の家元の娘として、厳しく上品に躾けられたこと、18歳のときに実業家の橋本豊次郎と結婚し、4女の母となったことは、上記ブログに書かせていただきました。
 橋本多佳子の夫は、多佳子より早く亡くなりますが、多佳子の句には、夫の看病のことや、夫の居ない寂しさを詠んだ句が多いのです。

◎曼珠沙華 身ぢかきものを 燒くけぶり

これは、夫を火葬するときの句でしょうか。

◎月光にいのち 死にゆく ひとと寢る

これは亡くなる夫に添い寝したときの句でしょうか。

◎ひとを送り 野のいなずまに 衡(う)たれ立つ

これも葬儀の後の句のように思います。

◎雪はげし 夫(つま)の手のほか 知らず死す

多佳子は、自らが一生操を立てて亡くなることを誇りに思っていたのでしょう。

◎夫(つま)恋へば 吾に死ねよと 青葉木莬(あおばずく)

多佳子の夫に対する深い愛情を感じる句です。

◎いなびかり 医師(くすし)の背より わがあびぬ

看病中の句だと思います。
次回は、夫が出て来ない句を紹介したいと思います。

弁護士法人銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清
 

東京医科大学の入試での女性一律減点問題について その2

 私は、西川さんの発言のうち、「女の子のほうが優秀なんで」「上から採っていったら女性ばかりになってしまう」という意見には賛同できません。現に東京大学医学部、京都大学医学部、東京医科歯科大学医学部は、平等試験であっても、女性の割合は、すべて16%~18%の中に入っています。
 もちろん、女性にも優秀な人は多く、私は、人の能力には性差は関係ないと思っています。
 東京医大においても、平成10年度は、女性の割合は、3割~4割であったので、男子学生を優先して取りたいとの動機づけになったものと思います。
 この東京医大の報道を受け、加藤厚労相は、国内の医師の約5分の1を女性が占めているとして、「妊娠、出産などの事情を踏まえ、女性医師が働きやすい環境をしっかり整えたい」と話しました。
 林文部科学相も閣議後会見で、「一般的に女子を不当に差別する入試は断じて認められない」と改めて述べたということです。
 私が、関係している医療過誤訴訟においても、お医者さんの労働は非常に過酷で、労働環境・作業内容が「きつい」「汚い」「危険」という、いわゆる3Kといわれている状況にあります。あるお医者さんは、週に何日も徹夜して働いているという状況です。こんな状況では、とても「妊娠、出産などの事情を踏まえ、女性医師が働きやすい環境」とは到底言えませんし、男子だってこのような労働環境では、身体を壊してしまいます。
 やはり、男女を含めた労働環境の改善が必要ですし、そんな中で、真の男女平等が図られるものと思います。
 西川さんの発言のうち、「お腹が大きくては手術はできないんです」というのは、そのとおりですが、そのようなときは、他の医師に手術をしてもらうというのは、当たり前のことだと思います。また、男性の看護師に力仕事を手伝っていただくことも工夫の一つだと思います。
 医師の成り手がすくない職場では、報酬に差を付ける、労働環境を改善するなどして、女性医師でも働きやすい職場にすることが急務ではないでしょうか。
 女性医師の割合が多い国を調査し、どのような工夫が図られているかを調査することも一案かもしれません。

   弁護士法人銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清

東京医科大学の入試での女性一律減点問題について その1

 東京医科大学では、医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが関係者の話で分かったそうです。
 女子合格者の抑制は11年の医学科の一般入試から行われてきましたが、その結果、女子の合格者を3割前後に抑えるようになったそうです。
 今年の一般入試のうち、1次試験の女子合格率は32.8%、2次試験を経た最終的な女子合格率は17.5%に抑えられたそうですが、その理由は、東京医大関係者によると、「女子は大学卒業後、結婚や出産で医師をやめるケースが多く、男性医師が大学病院の医療を支えるという意識が学内に強い」ということのようです。
 これに対し、世界中のメディアは、疑問の声を上げております。アメリカのロイター通信は「安倍総理は“女性が輝く社会”の実現に取り組んでいるが、女性は相変わらず、就職で苦戦を強いられ、出産後の仕事復帰でも壁に阻まれている。ネット上では、子どもを産まないと『生産性がない』と言われ、産めば『働くな』と言われ、どうしろというんだといった声が広がっている」と報道しております。
本日のサンデー・ジャポンの放送で、西川史子さんは、「当たり前ですこれは。全部がそうですよ」「上から採っていったら女性ばかりになってしまうんですよ。女の子のほうが優秀なんで。だから眼科医と皮膚科医だらけにになってしまうんですよ。重たい人の股関節脱臼を背負えるかといったら女性は無理なんですよ」という意見を述べました。
 また、西川さんは、「外科医は少ない。やっぱり外科医になってくれるような男手が必要なんですよ。お腹が大きくては手術はできないんです。だからやっぱり女性と男性の比率は考えておかなければいけないんです」と付け加えました。
 西川さんは女性のお医者さんですので、その意見は重いものがあると思いますが、これには賛同できません。ヨーロッパ諸国では、女性医師の割合が高く、5割を超えている国もたくさんありますが、何らかの工夫があるはずです。

 弁護士法人銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清
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