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伊藤健太郎容疑者の交通事故について

 昨日令和2年10月29日、道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで俳優の伊藤健太郎容疑者(23)が警視庁に逮捕されました。
 報道によりますと、10月28日夕方に渋谷区で伊藤容疑者の運転する車が、Uターンをしようとして、2人乗りのバイクと接触し、バイクを運転していた男性(26)と女性(27)が病院に搬送されました。被害者の男性は、軽症のようですが、女性は足の骨を折り、重傷だということです。
 伊藤容疑者は、現場から一時逃走したことから、救護義務違反及び報告義務違反(ひき逃げ)に該当するとして、10月29日、警視庁に逮捕されました。
 報道によりますと、伊藤容疑者が起こした交通事故を目撃したタクシーの運転手が、伊藤容疑者を追跡し、クラクションを鳴らすなどして停車させ、事故現場に戻るように説得したそうです。
 このような事件に遭遇するたびに、「なぜ逃げたんだろう。罪が重くなるのに」と思ってしまいます。単に交通事故だったら、報道もこんなにも騒ぎません。それは、誰でも交通事故を起こす可能性があり、ちょっとした不注意で起こってしまうからです。
ひき逃げは、故意犯です。怪我をした被害者をそのまま放置するという卑怯な行為だからです。だから「ひき逃げ」は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。また、自動車の運転上必要な注意を怠り、人を死傷させた場合は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処せられます。
 ですから、本件伊藤容疑者の行為は、重い刑であることを覚悟する必要があります。
 話は変わりますが、サスペンスドラマでは、証拠隠滅などの動機で、目撃者などが次々と殺されるという殺人事件が起こります。現実にこのような事件が起こると、被害者が複数ということで随分刑が重くなり、場合によっては、死刑になることもあります。
 こんなとき、ドラマを見ながら、「こんなに人を殺したら、罪が随分重くなるのに」と思わず心の中で叫んでしまいます。今回の伊藤容疑者の事件も、現場から逃げないで、救護義務と報告義務を果たしていれば、今回のように騒がれることもなく、十分執行猶予になった事件でしょう。若い将来有望な俳優だけに、残念です。
 弁護士 田中 清
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