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「仕事を任せる」ということ

 ある夫婦の話です。
 奥様は、結婚以来、炊事、洗濯、掃除などの家事一切をやり、ご主人は、一切家事を手伝わなかったということです。
 あるとき、ご主人が余りにも家事を手伝わないので、奥様から「食器洗いくらい手伝ってよ」と伝え、ご主人も「分かった。手伝うよ」と快く受け入れ、それからは、ご主人が食器を洗う当番になったそうです。
 ところが、奥様から見ると、汚れが十分落ちていなかったり、洗剤が残っていたりしております。さらに、食器を重ねて置いてしまうために、食器が乾かなかったり、すぐに洗ってほしいのに、テレビを見ていて、なかなか奥様の洗ってほしいときに洗ってくれないそうです。
 奥様は、その度に、「汚れが落ちていないわよ」「洗剤が落ちていないわよ」「食器が乾かないから重ねて置かないでね」「テレビなんか見ていないで直ぐに洗ってよ」などと文句を言ったそうです。
 ご主人は、「あなたは、僕に仕事を任せたのでしょう。任せた限り、文句は言わないでよ」と言い返したそうです。

 奥様は、心の中で、「そうか、任せた限り、文句を言ってはいけないわね。あとは、自分で気の済むようにやりましょう」と思ったそうです。確かに、十分な洗い方でないけど、奥様が最初から食器洗いをするより、3分の1くらいの時間で済んでいるはずです。
 奥様は、ご主人に対し、「分かったわ。任せた限りは文句を言ってはだめね。しかし、あなたも、仕事を任せられた限りは、できるだけきれいにやってね」と言って、それからは、一切文句を言わず、洗い足りないと思ったときには、自分で洗い直しをするようにしたそうです。
 ご主人も、「仕事を任せられた限りは、できるだけきれいにやってね」という奥様の言葉が堪えたらしく、前よりもきれいに洗うようになったということです。

 弁護士法人銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清

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